9 貸本屋・図書館

 日本の漫画から名前を取った店が、台湾にはたくさんある。「小丸子(ちびまる子ちゃん)」日式しゃぶしゃぶ店とか「小丁当(ドラえもん)」広東粥店とかである。「小丸子」租書というのも二ヶ所で見た。この「租書」というのは貸本屋のことらしく、たくさんあった。はじめに入会金を払うと本が読めるらしい。しかし、店内には椅子もあり(お菓子やジュースを売っているところもあった)大勢そこで漫画や小説を読んだりしていたから、日本の貸本屋とは違って現場で読むのかもしれない。漫画喫茶もあったが、それとは違うようだ。

 図書館では、「淡水郷立図書館」という東灘図書館ぐらいの大きさの図書館に行った。入口に荷物を置いて入る。それ以外は日本の図書館と全く同じである。例によって色紙を切り張りして作った掲示の類が壁に貼ってあったりする。図書館で働く人の趣味はどこでも同じらしい。日本の小説ではなぜか赤川次郎がたくさんあった。

 余談だが、図書館から出てきてしばらく行ったところに「信耶蘇得永世」(キリストを信じる者は永遠の命を得る)とか「世界末日近了」(世界の終末は近い)とか書かれた怪しいライトバンが止まっていた。

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