ハイリハイリフレ背後霊過去ログ261〜270




270.占いません 2004.04.13

大阪の梅田には、道端で芸を見せる若者が多数いる。その多くはギターを弾いて歌を歌う・いやし系ポエム絵ハガキを売る・平和を訴えて署名を募る、といったスタンダードなものであるが、変わったものもいろいろある。阪急東通商店街でYさんとその友人が遭遇したのもその一つであった。

占いません 話し相手 全国ツアー中」

看板の前には机があり、そこに座った若い男がにこにこ笑っていたが、客はいなかった。

Yさんたちはかなり興味をそそられたが、たまたまそのとき他の友人を迎えにいくところだったので「また今度」と思って通りすぎてしまった。しかし、残念ながら男は本当に全国ツアー中だったらしく、それきり出会うことはなかった。

* * * * *

道端でよくわからないことをしている人としては、他に「鶴を折らせるおっさん」がいる。梅田の地下街でたまに見かけるのだが、

「ヒロシマ・ナガサキに鶴をください」

という手書きの字を書いた紙を持っている人だ。鶴を折る人はいるときといないときがあるが、いるときはいつ見ても若い女なので、一種のナンパではないかとにらんでいる。

【字数指定なし】

269.フェティッシュ 2004.04.08

私の知り合いが、腰が悪くて整体に通っていたのだが、そのときに整体師の人がこんなことを言っていたという。

「ほんとうは足とかおならとかはくさいものなんですよ。でも若い女の人はくさいのを嫌がって消臭とかデオドラントとか?するでしょ。それは不自然ですよ。自然なのがいい」

あげくに、こんなことを言い出したそうだ。

「僕は、足とかおならがくさい女性が好きです!」

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268.ホタルイカ 2004.04.02

彦根のT君のいた高校では、先生の趣味で理科の時間に面白い実験をよくやったらしい。そのうちの一つで、ホタルイカの蛍光物質を取り出す実験というのがあった。そのためにわざわざ新鮮なホタルイカを遠くまで仕入れに行ったという。

そこまではいいのだが、取り出した蛍光物質は、当然いたずらの道具として使われた。ある悪童は、それを使って他人の黒い学生服の背中に

「うんこ」

という文字をひそかに書いた。明るいところでは見えないのだが、暗いところに持ち主が入るとその部分だけ背中が

「うんこ」

という文字の形に光る。そのまま夜のホームを歩くしバスにも乗るので、愉快なこと限りなかったという。被害者の男からは文字は見えないし、紙にいたずら書きをして背中に貼るのと違って、明るいところで服を脱いで見ても見えない。また、学生服というのは頻繁に洗濯するものでもないので、偶然本人が気づくまでかなり長い間その状態が続いたそうだ。

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267.突撃ラブハート 2004.03.28

友人(女)が会社の用事で東京に行ったことがあった。買い物のためぶらぶら歩いていると、若い女に呼び止められた。

「今無料で手相を見させてもらってるんですけど、よろしかったら」

断って歩き出し、10メートルも行かないうちにまた若い女に呼び止められた。

「あなたにとって『本当の幸せ』ってなんですか?」

それも振り切って、目的のビルでトイレに入っていると、そとから若い女の声が聞こえてきた。

「あーあ、わたしのハートどこにいっちゃったんだろ……」

大阪に帰ってきたら、電車の中で若い女と男が他人の悪口を言いあっていた。

「あんなビートの刻み方でいいと思ってるわけ!?」

どうやらバンドをやっているのだが、ドラムの男が下手で困っているらしい。舞台の上でつかみ合いの喧嘩までしたそうだ。

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266.ピボット・ターン 2004.03.13

学校で働いている知り合いがいるのだが、その人にいろいろ興味深い話を聞いた。

体験入学というイベントがあるのだが、そのときに「いい感じ」の人が来たのだそうだ。入り口に赤い足拭きマットが置いてあるのだが、出入りするたびにそのマットを跳び越し、決して踏まないらしい。そのマットとは別にもう一枚マットがあり、ほとんど踏まずに進むのは不可能に見える場所がある。どうするのかな、と思って見ていると、彼はバスケットボールの

「ピボット」

「ターン」

のような不思議な動きをして、たくみにマットを避けていったらしい。結局入学はしなかったらしいのだが、きっとマットの色がいけなかったのだろうと言われている。

また、こんなこともあったそうだ。学生向けの寮があるのだが、新入寮生の荷物だけ届いて本人が来ない。おかしいなと思っていたら、夜の2時ごろに突然来た。昼頃来ようと思っていたが、道に迷ったらしい。とりあえず寮監の人が部屋を案内していたところ、歯を磨くためか、向こうから寮生の茶髪の男が歩いてきた。

「!」

その男を見たとたん、新入寮生の男は脱兎のごとく逃げ出した。茶髪が怖かったらしい。結局2時間ほど帰ってこなかったという。顔を見て逃げられた男は怒っていたそうだ。

彼は学校に来るようになった後のことである。知り合いはその日受付で外の様子を見るでもなく見ていた。受付の前に細い廊下があり、そこに彼が通りかかった。すると、向こうから茶髪の男が来た。はっとして彼は逃げ出そうとした。しかし、反対側からも同じく茶髪の男が歩いてくるではないか。進退きわまった彼は

「ピボット」

「ターン」

のような動きをしていたという。

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265.香世ちゃんへの手紙 2004.02.12

1990年代のはじめ頃、私は高校生だった。私は柔道部に所属していて、練習熱心だったわけではないが、部室にはよく出入りしていた。

そこには昔の人々が残したものが数多く残っていた。「ビンゴ仙人」と呼ばれる先輩の海水パンツや「三路花拳」という香港の拳法の教科書、「統一協会−その傾向と対策−57年度版」という手書きのプリントのコピーといったものまでさまざまである。それらのものは「聖遺物」と呼ばれていた。

聖遺物のひとつに手紙があった。手紙はミッキーマウスの便箋で手書き4枚組、折りたたまれたものがきれいな封筒に入っていた。おそらく何かの事情で出すのをやめたものだろうが、それがどういうわけか部室で保存されてしまっていたのだ。この頃はまだ電子メールのような便利なものは普及していなかった。

手紙は男から文通相手の女にあてて書かれたものである。はじめのほうは予想されるとおりのつまらない内容であるが、3枚目の途中から意外な展開になる。(以下引用、ただし一部伏字とした)

(一枚目)

ちょっと封筒がみあたらなんだので
かたーいのでおくりました.

こんちは〜.(今回はわりとはやかったでしょ)
やったね、とーとー春だね!もう暗い冬ともおさら
ばだ.(実は1月に祖父が他界し、もちゅうなのです)
ところで、封を開けたとたん、写真がないので、がっかりし
たことと思います。やっぱ香世ちゃんには何かイメー
ジがあるだろうし、僕の写真見たら、そのイメージをくずすだろうから?や
めときました。(実は僕も香世ちゃんの写真、欲しかったりして)ごめんね.
話はかわりますが、僕はバレンタインデー、チョコゼロ!!(母と
おばさんから2つ)ま〜、別に気にはしてないけど…….だいたい、そんな
のもらう機会も、女の子に顔会わす機会もないんだよね〜。まず、朝
は、2月から、駅までチャリンコに変えて、バスには乗らない.電車は×
×の「×××線」という3駅の線を全部乗るんだけど、乗って
るのはうちの学校と××女子中・高だけで、圧倒的に××の方が
沢山乗ってるんだけど、空手・バスケ・テニス…と県下一位のすごい
とこで、行儀が悪いし、すごいしで、僕もみんなも避けて、かたまって立ってる
んです。そして学校は男子校で先生は皆男。帰りは行きと同じ
か塾へ.塾は週一日(100分英語のみ)で女の子もいっぱいいる
けど、僕はたいてい遅刻してぎりぎりに行き、みんなは2時間目も
うけるけど、僕は1時間目しかとってなくてそれで帰るので女の子と
しゃべったことはほとんどなし。日曜日は柔道の試合か模試か
家で休んでるか、映画見に行ったり服買いに行ったり.でもナンパはせー
へんからというわけで、当然の如くゼロ!!
でも、好きな人は2/28までいたんだ〜.河合(←塾の名前)のチューター(プ
リントはこんだり、生徒の質問に答え目かける人で大学生)の人で、19才で

(二枚目)

前々から好きで、特に1月頃から熱烈なファンに
なってしまった! 大阪大学の1回生で、わりとかしこ
いんでよく成績進路など相談に乗ってもらってた
んだ。(こーでもしなくちゃ接触できない!!)とってもや
さしくて、かわいくて(ちょっと太り気味なのもあって、友人の中には「あんな
ブタどこがえ〜ねん」とか「よくある」とかいうのもいるけど、ぼくはめっ
ちゃかわいいと思う!!)いいお姉さんなんです。でも、2月の初
めに、友人から人伝えに、その人に、僕が好きであることがはっきりばれ
てしまって、それで僕もその人に思い切ってうちあけた(手紙を
渡した)わけなんだ.(実は2月のおわりでやめることがもう決
まってて、知ってたんだけど)でも、次に会った時は何と
なく気まずくなって、さっと帰ってしまったんだ。そして最終日、な
んとその日は、僕があげたイアリングをしてきてくれてた!!そして、
またいつものよ〜に授業終わってから、ごちゃごちゃ話して、お別
れしてきたというわけ!でも、最後はなかなか劇的だったみたい
です。(と、かくれてのぞいてた←やらしいやつや!!友人が言ってました.)
おかげで最近は中高生には全く興味がわかなくなってしまった.
といって高校生と大学生じゃ世界がちがうし、年下じゃ本気で相手
になってくれないし…. そして結論に達した。要するに、
僕が大学生に、しかも京大か阪大の大学生になればよい、という
ことだ。(東大を受けると浪人して、学年の差が開く!)やったる、絶対
現役で通るぞ!! (ちなみに彼女は2/28で塾をやめたのです)

(三枚目)

ところで、2/16に柔道の試合があったんだ。(
僕はもう引退したんだけど、相手の学校は2年が主力だ
しうちの部は1年だけじゃ数がたりなくて、2年から3人
すけっととして出たんです.)まー、練習も試合前に3
日しただけで、当日もひどいカゼひいてたので、あ
かんやろな〜と思ってたんだけど、なぜか背負い投げの調子がよくて
1、2回戦と勝って(僕の他も何人か勝ったので、団体だから上へ上
がれる)、その次は、去年と同じ××学園、ここにはまたも負
けてしまいました。それでもなぜか団体第3位(××市内)
でした.ふしぎやな〜.(個人は体調も悪いし、出る必要もな
いので出なかった)

ここで話はめっちゃまじになるけど、香世ちゃんは自分の進路など
どー考えてる?「高校卒業したらすぐおヨメさんになる」とか、「短大いっ
て保母さんなる」とか.  僕は、京大(おそらくここしか受けないと思う)の
法にいって、公務員か学校の先生なんかになりたいと思ってるんだ〜.
やっぱ3年ともなると真剣に考えなあかんもんねー.僕はね、今の
実力じゃ京大はちょっとむつかしいと思うんだけど、だからといって志望をさげ
るのは男じゃないと思うんだ.自分で自ら厚い壁にぶつかっていかなく
てはいけないと思うんだ.絶対楽して逃げたらあかんのや.攻め
な強くなれない、柔道と同じだと思うんだ。(僕が京大を目指
してるのはさっき書いた様な不純な動機からではない)だから、
僕はこれから1年間攻めつづける!!体力と精神力は柔
道で鍛えてあるので、自信がある.あとはとにかく何が何

(四枚目)

でも勉強しまくるしかないんだ.自信をもって頑張る
しかないのだ.でも、となるとこの文通もそろそろや
めねばならないよーです。本当は、3年になったらお互い
相談にのり、はげましあわねばならないんだけど、僕
にはそういう時間がないのです。勝手なこといってごめんね.でも
僕は最初から「いつかこういうときがくる」と覚悟してたことなんです。
(本当は去年の11月頃にと思ってたんだけど、やめづらく、こうなったのです.)
香世ちゃんにはいろいろと相談に乗ってもらって、ほんまにありがとう.
今度香世ちゃんが出して僕が出して(その次香世ちゃんが出すかどう
かは決めて下さい)終わりにしたい(ぼくが大学へ入ってからまたするという
のもいいですが、そちらの希望にまかせます)と思います。だから、
この返事にはまとめて何でも聞くなり言うなりして下さい.
本当に勝手に決めてごめんね.でも許して下さい.
ぼくもつらいんです.             では、また.

(住所と名前)

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264.これで僕たちも 2004.02.01

「白い人」と「タコ社長」と呼ばれる二人組がいた。白い人は宦官っぽいというか、甲高い声で喋った。タコ社長は「ひょっとこ」のような口をしていて、やはり壊れたレコードのような奇妙な音を出して喋った。この二人は仲が良くていつも一緒にいた。

ある日、彼らがいつものように身を寄せ合ってノートパソコンの中を覗いていたことがあった。一体こいつらは何をいつも見ているんだろうと、友人が後ろを通りかかったときに見たところ、そこには

「スタンガンの作り方」

というWebページが表示されていた。(スタンガンというのは電撃で相手の戦意を喪失させる武器であり、「写ルンです」のようなレンズ付きフィルムのフラッシュ用コンデンサを使って自作することもできる。)なんだこりゃ、と思っていると、白い人の甲高い声が聞こえてきた。

「これで僕たちも……!」

【字数指定なし】

263.地雷ではなく花をください 2004.01.22

彦根のT君のいた小学校では犬の糞を使ったいたずらがさかんだった。水にといてできた臭い液は格好の「武器」となった。固形物なら表面につくだけだが、液にすればしみこませることができ、威力が格段に上がるのである。彼らの間での「最高の芸術」は犬の糞をクレヨン代わりにして壁に

「うんこ」

という文字を書くことだったという。

「だってうんこで『うんこ』って書いてるんですよ!最高やん!!」

以前、「じゃんけんで負けた者が犬の糞に爆竹を刺しに行く」といった話をしていたところ、そのT君はこんなことを言い出した。

彼が住んでいた地域では、かんしゃく玉を落ちている犬の糞の近くに置いておくのがはやった。なぜかというと、犬の糞を踏んだ者は必ずかんしゃく玉も踏むので、炸裂音で「誰かが踏んだらすぐにわかる」からであった。彼は「L」の字型をしたマンションに住んでいたのだが、「地雷」は「L」の字の真中の広場にしかけておく。

「パン!」

炸裂音が聞こえると、二つの棟に住んでいる小学生たちが一斉に犠牲者を見て喜ぶ。犬の糞を踏んだ上にそのような辱めを受けるので、犠牲者の精神的ダメージははかり知れないのだ、と。

【字数指定なし】

262.そんなこともあるさ 2004.01.21

友人の通う専門学校に「こたちゃん」と呼ばれる男がいた。気になる男なので、友人は観察していたらしい。その友人が授業でこたちゃんの後ろの席に座ったことがあった。こたちゃんはパソコンの「ペイント」という画像ソフトで「へのへのもへじ」の絵を描いた後、「へのへのもへじ」の口から吹き出しを描いて

「そんなこともあるさ」

という文字を書いていた。

ある日、こたちゃんは浜崎あゆみ(アイドルの名前)の顔が描いてあるタイピングゲームを猛烈な音を立ててプレイしていた。

ガチャガチャガチャ、ガッ!ガチャガチャガチャガチャ、ガッ!(「ガッ」はEnterキーを押す音)

とうとう先生が怒ってこたちゃんに注意したところ、こたちゃんはそれきり姿を消した。

そんなこともあるさ、にんげんだもの。

【字数指定なし】

261.修行するぞ 2004.01.19

私がいた大学の寮では変わったことがたくさんあった。オウム事件の後、有名な上九一色村の教団施設にあったのと同じナンバーの車がなぜか駐車場にあったりした。詳しくはは知らないが、警察の人が来たりしたらしい。

ここに住んでいた知人たちは宗教マニアで、いろいろな教団の修行を受けに行ったり、中核派の政治集会に出たりしていた。オウム事件よりは前だったが、彼らが上九一色村に修行に行ったことがあった。聞くと、なんだかよくわからないが「生理食塩水を点滴されたり」したらしい。「尿が滝のように出た」ということだ。

【字数指定なし】

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