ハイリハイリフレ背後霊過去ログ241〜250




250.カラカラ浴場 2003.12.14

「戦闘能力たったの5か、ゴミめ…」

「きゅ…90000…!?100000……110000……」

「私の戦闘力は530000です」

   (漫画「ドラゴンボール」より)

以前「激辛パスタ早食いコンテスト」というものがあった。スパゲッティに辛いソースをかけて食べる速さを競うというものだ。一回戦では辛いことは辛いが、まあ常識的な辛さのスパゲッティが使われ、普通に早食いが得意な者たちが勝ち残った。

「では二回戦は辛さを増したいと思います」

司会者のYという男はそう言い、「Mega Death Sauce」という調味料の瓶を取り出した。

「これはインターネットの通信販売で買った、タバスコよりはるかに辛い…」

「Yー、全部入れろ!」

まわりの者たちの無責任な煽りに煽られて、Yは70ミリリットルほどの瓶の中身を全部鍋の中にぶちまけてしまった。

「ぐわ!」

二回戦の出場者たちはスパゲッティを口に含んだとたんに悲鳴をあげた。味を感じる前に飲んでしまうという戦術に出た者もいたが、ちょっと息をついたとたんに口の中〜喉の奥が激痛に見舞われ、試合を放棄した。普通辛いものを食べると顔が赤くなるものだが、青い顔になっていたのが印象的だった。その後しばらく姿を見なかったのだが、聞いたところでは便所で胃の内容を吐き出し、水を飲んではそれをまた吐き出すということを繰り返していたらしい。結局全員が試合を放棄してしまい、場は白けてしまった。

私も残りに指をつけて舐めてみたが、ほんの少しなのに「辛い」というより「痛い」とか「苦い」とかいった感覚に襲われ、しばらく犬のように舌を出してハアハア息を継がなければならなかった。同じように舐めてみた者は後で目を掻いてしまい、被害を拡大することになった。これを丼一杯食べた者の痛苦は想像にあまりある。

さて、辛さを計る単位で「スコビル」というものがある。ある種の甘い液体で対象を薄め、何倍まで薄めると辛くなくなるか、というのがその数字の示すところである。たとえばタバスコという唐辛子ソースがあるが、これは2500〜5000スコビルだそうだ(タバスコ社Webページによる)。ちなみに後で調べるとこの「Mega Death Sauce」の辛さは550000スコビルであった。まさに「大量死」の名にふさわしい威力である。

しかし、さらに調べると世の中にはもっと辛いものもあるのである。「Mega Death Sauce」と同じブレア社が販売している「Blair's 6 A.M Limited Reserve Hot Sauce」の辛さは16000000スコビルだ。1600万倍に薄めないと辛さが消えないということは、1ミリリットルに対して16キロリットルの水を入れないといけないということである。これはもう食べ物ではなく毒である。もし目に入ったら、とか、小学校のプールに一瓶放り込んでみるとか、想像するだけでもわくわくするではないか。

【字数指定なし】

249.ペガサス流星拳 2003.12.11

Yさんの会社にいるOLが、こんな話をしていたらしい。なんでも、自分の彼氏と性格があわないというので、「動物占い」をしてみたのだという。

「だってねー、ペガサスなんですよ!!しかもB型やし、もう信じられへん!」

何が信じられないのかよくわからないが、あまり良くないことらしい。

【字数指定なし】

248.有機農法 2003.12.09

以前、母校の中庭を耕して畑を作ったことがあった。久しぶりに見に行ってみると大便が落ちていて、さかんに蝿がたかっており、すこぶる汚い。人のにしては小さいし、犬は入ってこれない場所なので、おそらく猫のものだろうということになった。それを見ながら友人と次のようなことを話し合った。

昨今は化学肥料を使わないで、大便や堆肥を使って育てた野菜が人気があるようである。生産者の顔写真を野菜とセットにして

「私たちの大便で育てました」

とアピールしたらどうだろう。いやせっかくだからギャルの顔写真(うしろ姿写真でもいい)を載せて

「100%この娘の便で育てました」

という野菜を作ったら一部の人にすごく売れるのではないか。キュウリ一本500円でも、買う人は買うだろう、と。

冷静に考えてみれば、ギャルはあまりものを食べなそうだから肥料にも栄養がなさそうだが、そんなことはどうでもいい。で、そのうち虚偽の記載をしていたことがバレるのである。

「実は人糞ですらなかった!」

【字数指定なし】

247.光の世界 2003.12.07

行こうよまぶしい光の世界

ハートのスイッチONにして

    パソコンショップ「ソフマップ」の歌 "HELLO, SOFMAP WORLD"より

------

Yさんが子供の頃、児童館で読んだ漫画に「死後の世界」が出てきた。その世界では食べ物はみな光でできているのだという。

「光のカレーライスってのも、けっこうおいしいものだねえ」

白い死装束の婆さんがそう言いながらカレーを食べているシーンが、大変印象的だったということである。

------

光の世界の住人といえば天人であるが、天人には次のような特徴があるそうだ。

しかし、天人も寿命がくると汗をかいて体が臭くなるなどした挙句死んでしまうのだという(天人五衰)。天人など見たことはないが、お経に書いてあるのだから本当である。お経には他に「かいだだけで満腹になるいい匂い」というものも出てきた。

ところで、「ドラえもん」は食べたものを全部エネルギーに変換しているので、大小便をしない。また、あまり知られていないが、歩いているときも足が地面から少し浮いている。ここからドラえもん=天人説を唱えようと思ったが、次のような台詞を思い出したのでやめた。

「ぼくぐらい高級なロボットになると蚊が刺すんだよ。」

蚊に食われる天人など聞いたことがない。(ところで、一応解説しておくと「ドラえもん」とは藤子・F・不二夫の漫画である。うだつのあがらない主人公のもとに未来の世界から猫型ロボット「ドラえもん」がやって来る。そして主人公をさまざまな道具を使って助けてくれる、というのが毎回のパターンである。)

【字数指定なし】

246.シャアが来る 2003.12.04

彦根のT君から聞いた話である。

「わっかんないっすよ!!」

コンビニで急に大きな声がしたので、なんだろうと思ってそちらを見るとフリーター風の若い男が携帯電話に向かってしゃべっていた。どうやら先輩か何かに電話で指示を受けて商品を選んでいるようである。

「俺ほんっとこうゆうの苦手なんすよ!勘弁してくださいよ!!」

しかしよく見ると、彼が見ているのはアニメ「機動戦士ガンダム」の人形がおまけでついた菓子のコーナーである。見ていると彼はこんなことを言いはじめた。

「シャアってなんなんすか!!赤いの?そんなんありませんよ!!」

「シャア」というのは「ガンダム」に出てきた美形の敵キャラクターで、専用の赤いロボット「ザク」に乗っていたのだが、彼はそんなことは知らないらしいのである。

「ザク?ああこれや…色?緑っす。赤あー?そんなんありませんよ、なにがちがうんすか!!」

らちがあかないと感じたのか、先輩は指示を変えたらしい。

「青いの?グフ?ムチ?ムチってなんなんすか!!」

ネタかと思ったが本気で困っていたらしい。最終的にそこにあるの全種類買ってこいと言われたらしく、仕方なく、といった感じで全種類買っていた。

【字数指定なし】

245.シャドーボクシング 2003.12.03

Yさんとその友人が大阪の地下鉄四つ橋線に乗っていたところ、

「あああー、じんどいいーー!!」

などとわめきながら座席でごろごろしている、危険な香りに満ちた男がいた。乗客たちは緊張してしんとしていた。やがて、男はいきなり何事もなかったかのように立ち上がり、その場でシャドーボクシングをはじめた。乗客たちはますます緊張した。しかし、Yさんの友人は

「あー、よかった。元気になりはったんやわ」

と一人のんきなことをつぶやいていた。

【字数指定なし】

244.やっぱり尻が好き 2003.12.02

2003年ごろ、「萌え萌えうにっくす!」だの「CPUの創り方」だのといった本が出版され、話題になった。それらはいずれもUNIXやCPUのつくりについてのまじめな入門書なのだが、著者自身の描いたいわゆる「萌え系」のイラストが表紙や挿絵に使われているのが多数使われているのが特徴である。

最近、倉庫を片付ける仕事があった。そこには昔のコンピュータ(パソコンではなく「オフコン」とか「マイコン」といった類のコンピュータ)や昔の本がごろごろしていた。その中に、

「絵解きMS-DOS16ビットOS大研究」(絵と文:笹倉正義、日本実業出版社、昭和61年)

という本があった。

内容は、「なぜ、いま16ビット・マシンなのか」「”言語の王様”FORTRANを使う」「いま、流行りのC言語を使う」といったもので、ちょっと古いがまっとうなものだ。80年代風ギャルがMS-DOSの世界を案内してくれるという趣向で、いわば「萌え萌えうにっくす!」の祖先である。

しかし、絵が少々下手なのは仕方ないとして、著者の独特の性的嗜好がほのみえるところがこの本の味である。とにかく尻のイラストが多いのである。さっきまで普通の服を着ていたのに次のシーンではレオタード(水着?)、しかもなぜか後ろ向きになっている。はじめからなんとなく違和感は感じていたが、馬に乗っている水着の女を後ろ下からあおっているイラストが出てきたときに違和感は確信に変わった。「これは、あれだな…」

他にも、脈絡なく聖書の引用が出てくるなど、いろいろ気になるところが多い本であった。

【字数指定なし】

【参考】イラスト1イラスト2イラスト3

243.痴漢車トーマス 2003.11.29

「マイクロマウス」という自立型ロボットの競技会があり、私の友人たちが出ていたのでよく見に行くようになった。自立型、というのはラジコンで人が操るのではなく、マイコンなどでロボット自身が判断して走るということである。

競技は以下のような規則に基づく。16×16区画の迷路があり、左下の区画を「スタート」、中心の4区画を「ゴール」とする。5回のトライアルでゴールに到達する速さを競う。一区画の大きさは18センチ四方で、ロボットの大きさは25センチ四方に収めなければならない。また、迷路の壁を乗り越えるような動作は禁止されている。壁の右側をたどっていくという、いわゆる「右手法」のような単純な方法ではゴールできないように工夫されており、地味だが意外に面白いものである。

ところで、ロボットを作るという作業は根気がいるものである。途中で逃げだす者もいるし、やけどをしたり感電したりすることもしょっちゅうである。友人たちは何か部品を壊すたびに

「○○(自分の名前)たん、○○(壊した部品の名前)壊しちゃったにょ〜」

という言葉を皆の前で言わなければならない、という決まりを作り、それを実行していた。試しに発音してみるとわかるが、かなり恥ずかしい思いをする。

さて、2003年度も大会は行われることになり、エントリーされたマシンの一覧が公式ページに載った。その中で、東京のある団体からひときわ変な名前のマシンが多数エントリーされていて気になっていた。

「萌やしっ子ANGEL」

「T(盗撮)−MOUSE」

「 田中ま○こ、○慰を表明」

「痴漢車トーマス(お蝕り系)」

「金太イジリー岡田」

といったものである。

実際に大会に行ってみると「金太イジリー岡田」以外は皆棄権していた。友人たちによると、おそらく敵前逃亡した者への制裁だったのであろう、ということであった。恐ろしいことである。

【字数指定なし】

【参考】マイクロマウス委員会のページ

242.ギャザー 2003.10.26

私が中学の頃、同級生に「ギャザー」というあだ名の男がいた。由来はよくわからないが、もともと彼は「マザー」と呼ばれていた。それが変化してギャザーになったのである。ちなみに、「ファーザー」というあだ名の男もいた。

私が中学3年になったばかりの頃、体育館が新築され、そこの新しい便所を皆使いたがった。そんな春の日のことである。当時、ギャザーは屁が臭いことで有名だった。そのギャザーとM、Yの三人が放課後教室に残っていたことがあった。ギャザーが急に不安げな顔つきになりあたりを見回したので、MとYは彼が大便に行きたがっているのだと考えた。

「おいギャザー!お前うんこしたいんやろ」

「ホットイテクレ」

ギャザーはそう言ってしばらくそわそわしていたが、やがて教室を出て行った。

MとYは、きっとあいつはあの新しい便所にいるに違いないと思ってそこに行った。すると案の定一つ閉まっているドアがあった。

「おらギャザー!お前うんこしとるんやろ!」どんどんどんどん(ドアを叩く音)「おらギャザー!お前なにうんこしとるんじゃ!」

MとYはそうわめきながらドアの上から水を注ぎ物を放り込んだ。しばらくたって出てきそうな気配がしたので、MとYは物陰に隠れて見ていた。すると泣きそうな顔の一年生が出てきた。おやと思って教室に帰ってみると、ギャザーが本を読んでいた。

【字数指定なし】

241.防疫に関するガイドライン 2003.10.24

私の友人たちは、ある学校でクラブ活動をしていた。そのクラブの部室は変な人たちの溜まり場になっていて、不健全極まりない場所になっていた。なお、ここでいう「変な人」とは、激怒して机を叩いていたかと思うと急に笑い出したり、「僕なら夜に猟銃で撃ちますね。ところでうち猟銃あるんですよ」などという発言を人に聞こえるようにしたり、包丁を剥き身で持ってうろうろしたり、「あ゛ー…」とうめきながら「ドラゴンクエスト」の仲間たちのように人をつけ回したりする人たちのことである。大きな内輪もめを繰り返したあげく、ようやく変な人たちは駆逐され、部室は健全化した。

そのときの経験をふまえて、「防疫に関するガイドライン」というものが編まれた。以下は、そのうち一般に面白そうなところを抜き出したものである。

------

「変な人」(以下Xと表記)から部室を守り、秩序を維持し、部員の安寧な生活を保証することは、部を率いる者の神聖な義務である。以下は、Xの脅威を未然に防ぎ、Xに侵されたときはすみやかにこれを押さえるためのガイドラインである。

1.健康の維持

Xは病気や霊と同じである。基本的にXは怖がりなので、健康で力にあふれた人のところにはまず近寄らない。そうではなく、心にすきがある人や、自分より弱そうな人を見つけると、すばやくとりつくのである。

酒や祭り、徹夜などで心が「上の空」になっているときは特に注意する。食事・睡眠はきちんととり、健康を維持すること。常に気を緩めることなく、Xが付け入るすきを作らないことが重要である。

2.環境の美化

「えさ」があると、Xはそこが居心地のよい環境だと認識し、集まってくる。環境が居心地の悪いものであれば、Xは自然に去っていくものだ。

「えさ」とは、具体的には次のようなものである。目の前から排除し、Xの目に触れないところに隠すこと。

3.外見からの診断

Xであるかどうかは、行動や外見などからある程度推測することができる。「要観察」の者は「つかず離れず」の立場で接し、「陽性」の者はすみやかに隔離すること。 具体的には、以下の行動・外見的特徴が見られる者は要観察である。

4.内からの駆除

(略)

5.医療体制の確立

(略)

6.感染の防止

(中略)

(中略)

7.反論に対する反論

(略)

【字数指定なし】

もどる トップ