ハイリハイリフレ背後霊過去ログ111〜120

新聞の折り込みで、「指にはめるだけでやせる指輪」の広告が入っていた。あの「トップモデルの××（知らない人）」も使っている、という触れ込みで、証拠写真もあった。某大物男優（知らない人）と一緒に歩いているところをスクープされた！というシーンで、びっくりした表情で顔を押さえている女の手の指にそのリングがはまっているのだった。面白いことにその写真には「スクープ写真」を撮っている最中のカメラマンの姿まで写っていた。

また、こんな写真も載っていた。テロで崩れたニューヨークのツインタワー跡で花を手向けるトップモデルのマリコ（知らない人）。彼女の指にもまた、そのリングが光っている。マリコがどんな有名人であるかは、周りの人たちがことごとく「あっ、あんな有名人がこんなところに！！」という表情を浮かべているのから明らかだ。

このいかがわしさ・わざとらしさ・わかりやすさには、アメリカンプロレスの

「悪徳プロモーターが悪巧みをしているところが、なぜか試合場の大スクリーンでリアルタイム中継されている」

シーンに近いセンスを感じる。

Ｙさんのところにもこの広告は来たらしく、しばらくいかがわしい広告の話で盛り上がっていたのだが、そのときに次のような話が出た。

Ｙさんのいとこはハワイで「武蔵丸（関取の名前）の弟」にナンパされたらしい。弟である「証拠」として、彼は武蔵丸のブロマイドを見せてくれたのだそうだ。一緒に写っているわけでもない、ただの武蔵丸の写真をである。

それからしばらく、こんな話ばかりしていた。

「俺うちでガンダム（アニメに出てくるロボットの名前）作ったで。乗って動かせるやつ」

「証拠は？」

「これが証拠や、とかいってプラモデルの箱のイラスト見せんねん。あー、こんなんでもいいな。俺皇太子の弟やねん」

「ほんで？」

「これが証拠や、って、女性自身（雑誌の名前）の切り抜き見せんねん」

【字数指定なし】

学校の男子便所には小便器が二つあったのだが、そのうち片方がいつも詰まっているので文句を言ったところ、こういう返事であった。

「何度直してもな、便器に砂を入れる奴がいるんや」

我々はそれを聞いて、なぜ砂なんか入れるんだ、猫じゃあるまいし、と最初は笑っていたのだが、そのうちその意図のわからなさが気味悪くなってきたのだった。どういう信念に基づいて彼は便器に砂を撒くのか。

その時石川県出身のＫさんという人が話に加わっていて、「砂といえば…」とこんな話をはじめた。Ｋさんの友達の下宿に

「土に帰るための儀式」

をする人、というのがやってきた。追い返したのだが、それから後もその人たちが来て家の前に土をまいていくので困ったというのである。

もう何年も前の話であるが、このたび被害にあった本人の当時の日記から詳しい話を引用する許可を得たので、以下に載せておくことにする。

けっこう勧誘さんがくるんだよ。で宗教？の
勧誘が来た。


見た目は、普通のオッサンていうかじっちゃんだね。
近所の人だと思ってた。

ジジィ：

お忙しいところすいません。
私どもは地球環境保全に取り組むものでして
土との共生について理解を深めていただく為
こうして回っております
鳴動という冊子を渡された
(めいどうといってた)

俺：
はあ・・

ジジィ：
列島のコンクリート化についてお考えになったことはありますか？

？？

そう、これね(床を触る）
コンクリート化、そうコンクリート化
無知では済まされません

共生アーティズムという言葉をご存知ですか？

俺：
いえ

生物というものはですね、皆土から生まれ、そしてまた
土に帰っていきます。お分かりになりますね？

ここで、白い包みを出す。
一握りの土を見せて
これは、この辺で見かけられません。
重度の皮膚病を患った方がいたんです。
病院に2,3年に通っていたのですが、
土による医療をほどこしてから、わずか2週間で
皮膚組織を正常に戻すことができたんです


俺：(荷物からして、訪問販売だなと考えた)
とくに、体悪いところとかないんで・・

じじい：
いや、これはですね。あなたが健康だからとかそういう
問題じゃないんです。さっき言いましたでしょ？
コンクリート化。こういった土壌汚染を見過ごしては
いけないんですよ。

俺：
土壌汚染って普通、工場の排出物とかの問題じゃないんすか？
コンクリート化とは関係ないでしょ？

じじい：
・・
いや、ですね

俺：
こういうのいらないんで引き取ってもらえます？

じじい：
身近じゃないんで皆さんも最初は信じていだだけないんですが

俺：
(肩を押して追い出す)用事があるんで


じじい：
信じていただけないですか？
わかりました。
日をあらためます



こっからうろ覚え。
4日後くらだったかな？
下でバイクのいじってたらワゴン車が来た。
何やら集合郵便受けを見てる。
2,3分なんかしていたから、注意しにいったら

例のじいさんだった！
向こうも気づいたらしく、

じじい：
この間はすいませんね。
実際に見ていただいた方が分かりやすいんです。
車もすぐ出せますんで支度してもらえますか？

？？？？！



追っ払おうと思ったけど、
つきそいの男2人を見て、直感した・やばい。
じいさんは普通の顔だけど、あとの2人は目が逝っちゃってる
あとなんで、ジャージ着てるんだ？

取り合えず部屋に逃げ込む。
30分ぐらい粘られた。

じじい：
土に帰る儀式に出てもらいたいんですよー！
ちょっとでいいんですよー！


もうベランダまで非難。最悪非常壁を破って逃げようと思った。
隣の部屋の人と、近くに来てたツレが来てから
おそるおそる外に出た。
どうやら去ったみたい。

とっ、俺のGPZがぁあ！！！
シートに土がこんもり。
ぜってー奴らだ。

殺す。

次ぎ来たら、やってやろうと思ってた。
ツレと分かれて家に着いたあと。
急に恐怖を感じ出して、やっぱ怖いんで彼女の家に避難。

ふぅ。こんな感じでよかろか？？

もう後が最悪。
彼女には「怖いのぉ〜」と笑われるし
ツレにはチキン、チキン言われるし

でもぜってーやばかったと思う。

【字数指定なし】

京都にいたころは、愉快な生活をしていたものだ。

夏だったので、外はまだ明るかった。飲み放題・食い放題の焼肉屋で獣の群れと化した我々は、四条で鴨川の河原におりて高歌放吟し、相撲を取り、すべてのカップルたちを周囲から駆逐した。

Ｏという先輩が料亭の川床や橋の上の人々に見せつけるように放尿を始めたので、私は持っていた傘の「Ｊ」型の柄で横から彼の男性器を引っ掛けようとした。すると、彼は私の動きに合わせて９０度ターンしてこちらを向いたので、温かい液体が私の足にかかった。

「うわっ！！」

慌てた私は洗おうと川に足を突っ込んだ。すると、裏のゴムを留めていた糊が溶け、履いていたぞうりはバラバラになってしまった。

一方その頃、Ａという男は得体の知れない叫び声をあげながら他の男のぞうりを奪って川に放り込んでいた。雨で増水していた川の流れにのって、ぞうりはみるみる流されていく。

「うわー、なにするんだよー」

間抜けなことを叫びながら、ぞうりを投げられた男は川上に向かって走っていった。

【字数指定なし】

言霊というものは確かに存在する。ある種の音の並びが恐るべき破壊力を持つことがある。物理的には他の言葉と同じく、ある周波数・振幅の空気の振動でしかないのに。

アニメ、ブスいないし。

どういう文脈の中で出てきた発言だったのかはもう忘れたが、学生時代友人が発したこの言葉が、いまだに忘れられない。「し」！「し」とは何か。「いない『し』」、彼は何をするというのか。

これが「アニメに、ブスはいない」だったら、それほどのインパクトはなかっただろう。偏った発言かもしれないが、それはそれで一つの意見だ。しかし、「し」一文字によって、この言葉は新たな力を吹き込まれたのだ。

さて、この男が昔怪我をして入院したことがあった。その時、友人たちは部屋に行って必要なものを持っていってやったのだが、その時一冊のエロ漫画の本を見つけた。確かに恥ずかしいが、それだけならどうということはない。衝撃的だったのは、漫画の中にあった彼の描き込みだった。日本の法律では、局部を詳細に描写することは禁止されているので、その漫画では該当部分は白抜きになっていた。そこが、稚拙な鉛筆がきで補完してあったのである。

それから10年ちかくが経過し、彼も結婚することになった。我々はなにかふさわしいお祝いの品を持っていこうと考え、結局韓国のインチョン国際空港で買った塗り絵を持っていった。それには、アニメ「カードキャプターさくら」の絵が描いてあった。新婦や親族の人たちにはまったく意図がわからなかっただろうが、これは我々からのメッセージだったのだ。

「さあ、存分に描き込んでくれたまえ」

【字数指定なし】

平成６年ごろ、東北大学に行った帰り、皆で松島に行って遊覧船に乗った。船の上からかっぱえびせんを投げるとカモメが空中キャッチするのが面白かったのを覚えている。船から降りて気付いたのだが、そのあたりは変な看板がむやみに多いところだった。たとえば、こんな具合である。

私の言葉に永遠の命がある　キリスト

キリストを呼び求める者は救われる

男の美学！！加齢とともに硬度が低下する。自宅で毎週一回わずか30秒のトレーニングで夕日にさよなら朝日を迎える。トレーニング法伝授一万五千円　英仙堂

私は面白がって、Ｉという男のカメラでこれらの写真を撮ったのだが、Ｉは嫌そうにしていた。物の価値のわからない奴である。

その後、仙台に戻ってきた我々は「バナナ餃子」の店を見つけたが、入ることができなかったので、どういう商品だったのかはわからずに終った。

【字数指定なし】

私が行っていた大学の体育館周辺には、ふしぎな人がよく出没した。たとえば、友人のＮが便所で小便をしていると、謎のおっさんがいきなり目の前にＬＰ盤のレコードを差し出してきたという。無視していると、裏返してからあらためて差し出してきたらしい。

また、自転車置き場には、「かぼちゃおやじ」と呼ばれる人がよく現れた。他人の自転車のかごにカボチャや積み木を積んだり、戻したりするのである。Ｓという知り合いが見ていると、

「は〜？」

と言って敬礼してきたそうだ。

【字数指定なし】

大学の寮に遊びに行ったとき、事務室のドアに穴があいていて、紙がかぶせてあった。聞くと、猫が通るための穴だということであった。それはいいのだが、その紙に書いてあったことが実に怪しかった。某らは、自分を精神病院に閉じ込め、国家転覆をたくらんでいる。内乱罪は死刑です。云々、という文章がワープロでぎっしり書かれていたのである。

後日、どうしてもその紙が欲しくなってまたそこに行った。しかし、紙はすでに捨てられていて、手に入れることはできなかった。どうもそこに住んでいる人たちにとっては、その紙は価値のないものだったらしい。

【字数指定なし】

「グングン背が伸びる、ＤＮＡシステムによるアメリカ式ヨーガ伸長法」

「一日たった十分間、手でいじくっているだけで字がうまくなる道具」

二十歳ぐらいの頃、このようなダイレクトメールが下宿によく届いた。私が所属していたクラブの先輩が、雑誌「Ｂｅｐｐｉｎ」（今はＢｅｊｅａｎという名前になっている）の広告ハガキを切り抜いて、周りの人間の名前で送りまくっていたのだった。ちなみにＤＮＡというのはデオキシリボ核酸ではなくDynamic Natural Advanceの略らしい。命名センスが筋肉ムキムキになれる道具「ＮＡＳＡのアポロエクササイザー」（この場合ＮＡＳＡとはNorth American Sports Assosiationの略である）と同じである。

ある朝寝ていると知らない婆さんから電話がかかってきた。婆さんは結婚相談所の名を名乗った。

「大山さんは四十歳の宗教家ということですけれども…」

「違いますよ。二十歳の学生です」

私が答えると、婆さんは怒ったらしく、長々と説教されてしまった。

「もうほんとに困るんですから、絶対にイタズラはやめてくださいねえ」

イタズラの被害者は私なのだが。

【字数指定なし】

武田という友人がいる。彼は昔から風邪を引くと夢を見るという。それは、

「なんだかよくわからない男と戦う」

という夢で、勝つと病気が治るのだという。負けたらどうなるのか、と聞くと、このように言う。

「俺たぶん死ぬと思う」

さて、彼は昔風邪を引いたとき、

「薬を二倍飲んだら早く治るんじゃないか？」

と考え、それを実行した。「パブロン」と「みみづ配合　おにみみ」という薬を組み合わせて飲んだのだったと思う。すると、布団が宙を舞い、友人の「白石」（しらいし）という男の顔をした鳥が赤くなったり青くなったりしながら部屋の中をバタバタと飛び回った。薬の飲みすぎで幻を見たらしい。

【字数指定なし】

「日本アニメ史学研究序説」（北野太乙、八幡書店）という本を昔読んだ。著者の宇宙戦艦ヤマトに対する愛が感じられて好感が持てたのだが、それは別にどうでもいい。ただ、はさまっていた「愛読者カード」に味のあるアンケートが載っていたので引用してみたい。

＊あなたの関心のある分野に○をつけて下さい（複数回答可）。
マルチメディア　サイバーパンク　心理学　脳科学　潜在能力開発　予言　占い　政治　ニューエッジ　瞑想　英会話　セラピー　ＳＦ　立体音響　アロマテラピー　アニメ　ニューサイエンス　魔術　コンピュータ　古史古伝　ＵＦＯ　ヒー リング　人工生命　武道　瞑想　ゲームソフト　エコロジー　戦記　古神道　トランスパーソナル　心理学　気功　超能力　ヴァーチャルリアリティ　幻想文学　旅行　風水術　シャーマニズム　時事問題　ミステリー　漫画　立体映像　ハウ スカルチャー　ブレインマシン　健康　ペット　インターネット　手話　ロック　神話　シミュレーション小説　その他（　　）

このかたより具合は何なのだろう。確かにアニメや漫画には超能力や占いや古史古伝や英会話がよく出てくるかもしれないが。なんとなく、自動車教習所で受けた心理テストを思い出した。

「誰かが私をおとしいれようとしている　はい・いいえ」

「他の人たちのように幸せになりたいと思う はい・いいえ」

「死にたくなったことがある　はい・いいえ」

（注）ニューエッジというのは「ニューエイジ」の誤植と思われる。

【字数指定なし】