平成13年2月9日

2000年度ISテーマ
マイクロマウスの開発研究
〜マイクロマウス2000に出場して〜

情報工学科 r00h0390 不死川魔沙王

11.問題点と今後の課題
 ハードウエアが一応動作するようになるまで時間がかかりすぎ、ソフトウエア開発に十分な時間が取れなかった。また、ハードウエアも機械的な部分の正確さに欠けていた。

他の出場者のマシンを見ての感想
多くの出場者が壁横面検出型センサを採用していたが、「万2」(大森千聡氏、名古屋工学院専門学校)をはじめ、壁上面検出型でも優れた性能のものがかなり見かけられた。
 「万2」は1回目の走行(迷路記憶)では1区画ごとに加速・定速運転・減速停止を繰り返すというスタンダードな方法を使っていた。印象に残ったのは正確に一区画ごとの前進・90度回転・180度回転を行っていたことと、その度にタイヤがキュッキュッという音を立てていたことである。タイヤのグリップ力をあげるために、ラバーを使っているということであった。
われわれのマシンは卓球のラケットのゴムを利用していたが、昔のものなので劣化してグリップ力が落ちていた。また、まっすぐ走ることができなかった(左右のバランスが悪い等、さまざまな原因が考えられる)。まず車体部分の調整を行い、修正動作なしでもまっすぐ走れるぐらいのものを作る必要がある。

 問題点
○一区間走行を正確に行うことができず、誤差が積もって壁に衝突することになった。
○壁に衝突、あるいは大きな誤差が発生したとき、それを修正することができなかった。
○床面の状態やまわりの温度によって走り方が相当変わり、これをソフトウエアで埋めなければならないのだが、十分な実験や研究ができなかった。
○本体の近くにセンサがなく、横によりすぎると壁を見失い、修正が不可能になる。
 今後の課題
●まず一区間走行を正確に行えるようにし、小修正をあまり入れなくてもよいようにする。
●フォトリフレクタ(あるいはほかのセンサ)を本体の近くにも配置し、壁に衝突しても(または衝突する寸前でも)修正が入れられるようにする。
●センサ基板とモータドライブ回路基板を一つにする。また、CPU回路を小さくする。その他、金属使用率を下げる、締結でなく接着を用いる等の手段でできるだけ車体を軽くする。
●周りの状態によるタイヤのグリップ力の変化をもっと研究する。
●タイヤの滑り等の差異をソフトウエア的に吸収できるようにする。
●迷路探索プログラムを完成させる。
●CTC割り込みによる左右バラバラの台形加減速を実現する。


12.参考文献
「プログラム学習によるマイコン」(職業能力開発教材委員会編著、廣済堂出版)
「プログラム学習によるロボットI」(職業能力開発教材委員会編著、廣済堂出版)
「プログラム学習によるロボットII」(職業能力開発教材委員会編著、廣済堂出版)
「Z80マイコン短期マスタ」(横山直隆著、シータスク)
「やさしいマイコン制御ロボットの製作」(横山直隆著、シータスク)
「Z80マイコン応用システム入門ハード編第二版」(東京電機大学出版局)
「ロボティクス入門」(ロボティクス研究会編、コロナ社)
「モータ制御&メカトロ技術入門」(トランジスタ技術編集部編、CQ出版社)
「Z80ソフト&ハードのすべて」(トランジスタ技術編集部編、CQ出版社)
「徹底解説Z80マイコンのすべて」(トランジスタ技術編集部編、CQ出版社)
「機械に知力をつけるZ80マイコンプログラミング実習」(太平洋工業編、日刊工業新聞社)
「高速マイクロマウスの作り方」(浅野健一著、東京電機大学出版局)
「Z-80プログラミング実習」(相原隆文著、技術評論社)
「RS232Cインターフェイスの使い方」(松山稔・山本正樹著、日刊工業新聞社)
ほか

以上