大韓遠征記2002

2/20(水)

 この日は朝食後三人ばらばらに行動した。ロッテリアで朝食。プルコギバーガーセット(韓国語ではプルコギボゴセッ)とオジンゴリング(いかリングフライ)。プルコギバーガーはプルコギ(すき焼きみたいな焼肉)味のソースがついたヘンボゴで、てりやきバーガーと大してかわらなかった。(ちなみにてりやきバーガーはテリボゴという。)しかも冷たくて外れである。オジンゴリングはうまかった。日本でも売り出せばいいのに。本当のいかリングではなくて、細かくしたイカをつないでリング状にしてあるので、噛み切れなくて困るということもなかった。16時半にミョンドンで待ち合わせてわかれる。

 私は龍山(よんさん)の電子市場にいく。はじめ道に迷ったが、それらしい風貌の男の跡をつけていくとついた。オタクに国境なし!その辺のビルがことごとく電子電気関係のもので、ぎっしりパソコン屋やパーツ屋、普通の電気屋、ゲーム屋、電子パーツ屋が詰まっていた。三協電子みたいな店がどこまでもどこまでも続くところはとてもすばらしかった。なんという恵まれた環境であろう!!思った通り綾波レイが幅をきかせている店があり、等身大のタペストリが飾ってあったりした。しかし、台湾で遭遇したほどその手のものは見当たらず、ちょっと意外だった。また、ビデオCDはあったがビデオテープは全然なかった。残念である。ビデオCDも一応探しては見たのだが、テコンVや走れハニーや実写版北斗の拳は見つからなかった。日本のアニメばかりだ。つまらない。とりあえずWindows98韓文版、Word2000韓文版、ゲーム「キムチマン」といったものを購入。「走れハニー」のゲームもあったが、とてもショボそうだしキムチマンの箱が大きいので買わず。とりあえず一周しようと思ったのだが、どこまでいってもおわらないのでさすがに疲れ、14時ごろ探索は終えることにした。コンビニで変なスタミナドリンク飲んだらひどくまずかった。

 何か食べようと南大門に行くが、この間とは違ってものすごい数の人であふれており、とてもすわって何か食べられる雰囲気ではなかった。しきりに声をかけられた。「おにさんカワいりませんかー」外人なのがバレバレである。総じて韓国の男は鋭い刈上げ頭でひげを剃っている。私はひげこそ剃っているが長い間散髪していないのでそこを見ただけでばれてしまうのである。台湾ではうまくそこの人間のふりをすることができたのだが。

 何も食べられず、しかたなく歩いて市庁(しちょん)のあたりまで歩く。それでも何も食べるものがなかったので、ロッテ百貨店までいく。15時ごろロッテの食堂でカルククスといううどんみたいな食べ物を食べる。ちなみにうどんは「ウドン」といって別の食べ物である。味がないのでキムチを食べながら食べていると、おっさんがこれをかけるんだ、と机の上のたれを指して教えてくれた。醤油にごま油とねぎとにんにくを漬けたようなもので、かけて食べたがまずかった。ちょうどひまな時間だったらしく従業員たちが横のテーブルで食事をはじめた。カルククスとキムチと飯である。人が食っているとうまそうに見える。キムチだけはうまかった。

 歩いてミョンドンに行く。

 なんだか騒ぎになっているので見ると、シチョンのほうで煙があがっていて、機動隊や消防車が大騒ぎしていた。ブッシュ大統領訪韓と何か関係あるのかと思ったが、どうやらただの火事らしかった。一応近づいて写真をとってきた。近づきすぎて煙を吸い、気持悪くなった。

 またミョンドンに帰る途中、道に迷って中国大使館のあたりに行ってしまう。ここらへんはほんの数軒だったがめずらしく中国人街らしくなっていた。また、本屋が何軒かあった。街中で本屋(大型書店ではなく)を見るのは初めてだった。このあたりで挙動が変な人につかまりそうになるが、まいた。

 さっきの火事のことがニュースになっていないかと、ミリオレというビルのPCバンに入った。このビルはこの間チアリーダーのイベントをやっていたビルである。ここでニュースを見たが何も書いていなかった。しばらくインターネット(韓国語ではイントネッ)をしていると約束の時間になったので、待ち合わせ場所のボゴキン(バーガーキングのこと)に行った。途中便所で紙がみんなごみ箱に入れてあるのを見て、そういえば韓国では紙をトイレに流さないんだっけということを思い出した。別に流してもいいらしいが。そういえばヨンサンでもごみ箱いっぱいの紙を見た。

 ボゴキンでコーヒー(韓国語ではコッピ)飲んで本日のメインイベントのエステに行く。エステといっても男用だから要するにサウナである。あかすりとマッサージを体験する。海水パンツのおっさんに局部をつかまれるのはかなり抵抗があった。またマッサージの際はぬるぬるした液体を塗られて揉まれるので、なんだか別のことを思い出しそうになったが、「アオムケ」と言われて上を向くと例のおっさんが無表情で立っていてげんなりした。とにかくどういうものかわかってよかったとは思う。もうエステはいいや。

 思い出したが、散髪屋のくるくる回るマークが町のあちこちにあり、しかも24時をすぎても回っているのがとても怪しかった。ただの散髪屋に深夜に客が来るのだろうか。あれがうわさで聞くところの風俗散髪屋ではないのか。そういえば夜ホテルに帰ってくるといつも字がいっぱい書いてあるコートを着た男たちが待っていてドアを開けてくれたりしたが、あれはいったいどういう人たちを車で迎えに来ている連中なのか。ホテルの前に夜になると来る派手な看板つき車はなんだったのか。結局最後までわからずじまいである。

 終わってからコンビニでひまわりチョコなど購入。近所の焼肉屋で豪勢な夕食。思えば豪勢なものを食べたのは釜山初日とこの日だけである。完全に元気を回復した私はここぞとばかりに飲み、食いまくった。生レバーと生センマイも久しぶりに食べた。「鮮度が一番ですから。生で食べます。鮮度が一番ですから」と店のおばちゃんは連発していた。たぶん「とても新鮮だから生で食べる」といいたかったのであろう。ここで食べたものはことごとくうまかった。ビールもだいぶ飲んだ。韓国で飲んだビールはHiteという銘柄ばかりだった。味は普通。テレビでコマーシャルをよくやっていた。ビールを持った男たちがみんなでジョッキで机をたたきまくり、中のビールが飛び出して机にこぼれるというものだ。

 帰り、ミリオレではダンス大会のようなイベントをやっていた。地下鉄でいつもより一つ前の駅で降りるとコンビニの近くの警察署のところだった。警察署にはサルみたいなかわいい系のキャラクタが書かれているのだが、覗くとやくざみたいないかつい男たちがたむろしていて、後ろの壁には「○○警察○」と達筆な字で書かれていた。○はハングルなので読めなかったところである。それにしてもこっちの駅のほうが便利だったので早く気づけばよかった。

 PCバンに行き、Yとチャットする。